

松阪市に設置した2 MW/8 MWhの蓄電システムは、SINEXCELにとって国内初の系統用蓄電プロジェクトです。SINEXCEL製1,375 kW PCSを2台採用し、伊勢湾沿岸の産業集積地で電力需給の調整力を提供します。
日本はエネルギー転換を進めていますが、電力系統には固有の課題があります。2026年1月16日に東京で発生した8時間の停電は、老朽化するインフラと東西で異なる50 Hzと60 Hzの周波数がもたらす電力系統の弱点を改めて示しました。
本プロジェクトの建設地である松阪市は、関西圏と中部圏を結ぶ伊勢湾沿岸工業地帯の一角に位置します。重工業が集積するこの地域では、安定した電力品質が欠かせません。わずか数ミリ秒の電圧低下でも生産ラインが停止し、大きな経済損失につながる可能性があります。
地域の電力系統には、需給変動を吸収する調整力が必要でした。同時に、採用する設備には日本市場の厳格な要件を満たすことが求められました。

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“日本では、単に電力を貯めるだけでは不十分です。電圧を緻密に制御する機能と、災害に耐える堅牢性の両方が求められます。”
日本では、蓄電設備を導入する経済的な意義も高まっています。太陽光発電の出力が増える昼間は電力価格が下がり、夕方の需要ピークには価格が上昇します。この需給変動は「ダックカーブ」と呼ばれています。
松阪プロジェクトの2 MW/8 MWh構成は、2026年の日本市場で標準的なモデルの一つと位置づけられます。4時間の放電に対応することで、複数の市場から収益を得る「レベニュースタッキング」が可能になります。事業者は昼間の安い時間帯に充電し、需給が逼迫して価格が上がる16時から18時に放電することで、値差による収益機会を得られます。

ダックカーブの模式図
日本市場では、災害に耐える設備強度に加え、ミリ秒単位で電圧を制御する性能が求められます。プロジェクト事業者は、日本市場におけるSINEXCELの5年間の実績を評価し、同社の製品を採用しました。
システムの中核には、SINEXCEL製1,375 kW PCSを2台採用しています。また、このPCSはJET認証を取得しています。日本の電気安全および系統連系に関する基準への適合が確認されているため、個別の性能試験に要する期間を短縮し、系統連系手続きを円滑に進められます。
本プロジェクトでSINEXCEL製PCSが採用された主な理由は、次の3点です。
- 高精度制御: ミリ秒単位で電力を制御し、系統の急な変動に応じて電圧、電流、周波数を調整します。
- 電力品質管理: 双方向の電力変換に加え、系統電圧の維持と無効電力補償にも対応し、電力系統の安定化を支えます。
- 安全性と効率: 系統用蓄電向けのモジュール設計と多層保護機能により、設備のライフサイクル全体を通じた安全性を確保し、運用・保守コストを抑えます。
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松阪プロジェクトの設置完了は、SINEXCELの日本事業における節目となりました。
30 kW、500 kW級の分散型案件からMW級の系統用案件へと対応領域を広げたことで、日本のインフラ要件に対応できる技術力を示しています。
本格稼働後は、ピークカットと負荷平準化により、電力需要が高まる時間帯の松阪地域の系統負荷を抑えます。また、地域でより多くの太陽光発電を受け入れるための調整力として機能します。
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三重県松阪市に設置されたSINEXCEL初の系統用蓄電プロジェクト。地域の電力系統を支える設備として稼働します
SINEXCELは、日本で分散型電源から系統用蓄電まで対応領域を広げ、災害に強い脱炭素型のエネルギーシステムへの移行を支えています。



